仕事を楽しんでいるかどうか
先日、母がデパートの懸賞で当てた日帰り旅行に同行した。
早朝地元を出て、往復6時間近くバスに揺られるけど
静岡県の海と山が堪能できるというやつ。
世界文化遺産に決まった富士山をいろんな場所から見るぜ!というツアー。
ま、想像した通り喧しいおばちゃんはそこここにいたものの、
短い時間でいろんなところへ連れてってもらえて、
いつも自分で行き先調べたり乗り換えとか段取り係のわたしとしては
たまにはいいかなあと思える程度のツアーだった。
(ま、でも、しばらくはいいけど。)
でもなんか、雰囲気が悪かったのだ。バス車内の。
きれいなものもたくさん見てお腹はいっぱいになったけど、楽しい雰囲気じゃなかったの。
そりゃあね、
斜め後ろのおばちゃんが傍若無人だったとか、
2列前のおばちゃんが出発前からスルメイカを食べだして車内に臭いが充満してたとか、
何故か行程に富士山と全く関係ない変なジュエリーメーカー工房見学が含まれていたとか(多分スポンサー)
そういういろいろ『ちょっと・・・』な点はいろいろあったけど、原因はそれらのうちのどれでもない。
理由はおそらくひとつ、
添乗員が全然楽しそうじゃなかったことだ。
添乗員のお姉さんは、たぶんワタシ(37)より何歳か年下の、
しかし体重は倍近くあるんじゃないかと思える、100キロオーバーの女性だった。
言葉遣いは丁寧だし、オペレーションにミスはないし、ちょこちょこ定番のジョークも入れてくるし、仕事っぷりは問題ない。
でも全然楽しそうじゃなかった。
表情、声のトーン、口調の端々。
視線の送り方、切り方、要領の悪いお客との話し方、等々。
『富士山ツアーなんて何度も行ってるから!』という「楽しくない」じゃなくて、
ああ、この人、この仕事好きでやってるわけじゃないんだ。
ただお金のために時間をこなしているんだ。
それがにじみ出ていた。
だから、12時間も一緒にバスで過ごしたのに、全然雰囲気がよくならなかった。
『ではジャンケン大会でーす☆』って明るいセリフでも、彼女はきっとめんどくさいんだろうな、て思わせられるものだから。
だから後車間際、運転手に感謝の拍手をするくだりと
彼女に拍手をするくだりでは、逆に精一杯拍手をさせていただいた。
だって、好きでもない仕事で12時間バスに乗って移動って、苦痛以外の何ものでもないじゃないか!
よく頑張ったよアンタ、頑張って仕事こなしたよ!
わたしがしたのは、そんな拍手だった。
同時に、身につまされたのも事実。
今の職場に着いて2年、前任のトンズラのせいで半ば無理やり主任をやらされてる。
押し迫ってくるクラス日程に追われ、主任職にかかずらっている間に自分のやりたい授業ができていない気がする。
でも気の抜けた授業をすれば、すぐに学生にバレる。
もしもこの仕事で、あの添乗員の彼女みたいな姿勢で彼らの前に立ったら、もう1分でアウトだろう。
ああ怖い。ぶるぶる。気をつけよう。
わたしは自分のしたい仕事ができているんだ、
楽しまなくちゃアホだ!